髙吉 一樹
Takayoshi Kazuki
愛 称
カズキ
出身地
南九州市
就農年
2008年
「昔から食べていた祖父母のさつまいもを自分もつくりたい!」と23歳で就農し、母と祖母に手伝ってもらいながら年間150トン超のさつまいもと30トンほどのじゃがいもを生産しています。また、お米と食卓に並ぶ野菜のほとんどを家庭菜園で育てています。
さつまいもは青果として出荷する「紅さつま」「べにはるか」、焼酎やかりんとうの原料となる「黄金千貫」「シロユタカ」などを栽培中。年間を通じて安定出荷が行えるよう貯蔵庫にも投資して、生産計画を立てています。青果用のさつまいもは、味が良くても形がちょっと悪いだけでB品扱いされてしまう難しさがあります。一方、加工用は収量が大切。両方のさつまいもを育てることでリスクを分散しています。
南九州市の
農業研修センターで学び、
さまざまな出会いが追い風に。
父方がお茶農家、母方がさつまいも&お米の農家だったので自然と農業の道に進んでいきました。農業高校を卒業後は静岡県にある茶業研究センターで2年ほどお茶の栽培を学び、さらに南九州市の農業研修センターで1年間お世話になりました。研修センターでは野菜全般の栽培を学び、さつまいも農家として独立することを決意。補助金などもいただいたのでスムーズに就農することができました。
農業は繁忙期は大変ですが、比較的自分のペースで仕事ができます。時間の融通がききやすいので、娘の学校行事にもほとんど参加できます。
南九州市にはスムーズな出荷の仕組みなど、さつまいも生産全国1位だからこそのメリットがありますし、研修時代にバイオ苗を育てる現場を間近で見ているので苗も安心して購入できます。
土の中で成長する
さつまいも。
掘るまでのドキドキ感が
醍醐味です。
さつまいもは葉物・実物野菜や果樹などと違って土の中で大きくなるため、掘ってみるまでは収量や品質がわかりません。期待した収量の半分にも満たずにがっかりすることもありますが、そのドキドキ感が醍醐味でもあります。収穫のたびに反省点が生まれ、試行錯誤を繰り返すプロセスも農業のやりがいです。祖母や母には「今年はうまくできたね」と言ってもらえることはあっても、自分の理想と比べるとまだまだ。収量や品質の目標を立てて、そこに向かっていく道のりを楽しむことができる方だったら、農業に向いていると思います。
研修センター時代にはキャベツやレタスなどさまざまな野菜の栽培法を学んだので、チャンスがあればさつまいも&じゃがいも以外の作物にも挑戦し、規模を拡大したいと考えています。
南九州市の魅力は、過ごしやすい温暖な気候と気さくな人々にあります。農作業をしていると、近所の方が「どうけ?」としょっちゅう声をかけてくれます。海も近く、堤防や磯でイカやブリが釣れます。海の幸も、山の幸も、お茶や畑の作物も存分に楽しめます。
新規就農される方は農地や住まいのことが気にかかると思いますが、今後は農地を手放す高齢者も増えると思いますし、空き家の紹介もあります。手厚い就農サポートや補助金などを有効活用して、ぜひチャレンジしてみてください。いっしょに楽しい農業ライフを過ごしましょう!
南九州市の農業を牽引する先輩たち。就農までの道のりや農業の醍醐味を聞きました。インタビューから南九州市での素敵な農業ライフが見えてきます。